『 コースト・ガード 』

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 2002年のキム・ギドク作品。原題は「海岸線」

 チャン・ドンゴンがどうしてもキム・ギドクと仕事したいと、
破格の低ギャラで出演した作品。
こういう話を聞くと、ただの美男スターで終わりたくない、
彼の硬派な意思が見えて、好感もてる。
   
 チャン・ドンゴン、ぼくは「チング」で好きになった。
殺され方がなんとも言えずカッコいい。
台詞もよかった。十数回腹を刺されて、「おい、もう充分だろ」って。
日本で言う四天王の中では一番好きな役者かも。

   
(以下ネタバレ注意↓)

   
   

 映画は、北からの進入に備える沿岸警備隊の兵士の話。
海岸の危険区域にまぎれこんでHをしているカップルを、
スパイと間違って誤射し、男を死なせてしまう。
相手の女は気がふれ、撃った兵士も狂気へとさまよう。
   
 で、ドンゴン氏の美貌の汚し方に凄みがある。
顔に迷彩ペイント、裸の肉体も野生、全開放って感じ。
不思議に呪術的な存在感を醸し出す。
     
 「ブラザーフッド」の後半の切れ方と重なるんだけど、製作年はこちらが先。
この映画のキャラ設定を持ってった感じがする。
       
 だけど見終わって、最近のギドク作品と比べると、何か物足りなさが残る。
彼の作品には、いつも奇妙な「愛」が風景の裏側に錯綜としているのに、
「性」はあるが「愛」がない。だから平坦に感じてしまうんだ。
       
 パンフを確認すると、
監督は海兵隊に5年いたと書いてある。
あー、だから訓練のシーンとか、いじめとか、
「シルミド」も真っ青なほど、
リアルで、ドキュメンタリー色が強いのか。
反面、いつものような重層的、神話的、異世界を構築できなかったんだ。
     
 暴力、激しい映画です。苦手な人はご遠慮を。

松本隆  |   2005年01月22日  

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