松本隆―筒美京平コンビの7年ぶりの新作ということで話題を集めている、しょこたんこと中川翔子さんの新曲「綺麗ア・ラ・モード」。この発売を記念して、今回のカフェのお客様は中川翔子さんをお迎えし、松本隆との対談をお送りいたします!
 アニメ、マンガ、歌謡曲などサブカルチャー全般に造詣が深く、ブログは15億アクセス(!)を突破。さらには強力な松田聖子ファンとしても知られる中川翔子さん。松本隆とはこれまで何度か会ってはいるものの、本格的な対談は今回が初めて。若干、緊張気味ではじまった対談も、話題が核心に近づくにつれどんどん熱気を帯びていきました。
 松本隆、筒美京平という2人の巨星に愛された新世紀のアイドル、中川翔子さんが生まれ変わる“瞬間”とは? そして「綺麗ア・ラ・モード」に込められた意味とは? 風待茶房ならではの、超ロング対談をお楽しみください!

インタビュー/構成:水島己 撮影:batayam
    



1.2人の出会い/神様がくれたどら焼き
2.存在自体が神秘になればいい
3.メロディから殺気が伝わってくる
4.本音を出さないと歌えない詞
5.レコーディングでのアドバイス
6.’80年代への憧れ/大衆を癒す歌
7.ぎや〜〜〜っ聖子ちゃん〜〜!!
8.振幅がシンクロする/1位のプレッシャー



中川翔子「綺麗ア・ラ・モード」
(2008/10/22 SRCL-6880 Sony Records)
1. 綺麗ア・ラ・モード
2. カミツレ
3. 約束 (カバー 原日出子「約束」 1981)
4. 綺麗ア・ラ・モード -Instrumental-
作詞:松本隆 作曲:筒美京平



1: 2人の出会い/神様がくれたどら焼き

−−松本さんが翔子さんを知ったのっていつごろだったんですか?

松本

最初はね、僕の娘が騒ぎ出したんだよね。

−−当時、松本さんや風待レコードのマネージャーをされていたころですね。

松本

「しょこたんって可愛い子がいる」って。君のブログを見てね

翔子

えぇ〜っ!

松本

一日に何度も更新するから、何度も見るんだよね。

翔子

興奮すると50回とか更新しちゃうんです。

松本

最近だとゴキブリの回が面白かったよ。

翔子

(笑)。夜中に私の猫がゴキブリを食い殺したのをマンガに書いたんです。

松本

それは僕の奥さんが、言ってた。

翔子

えー!!

−−松本家は一家でしょこたんのブログを見てるんですね。

松本

『ハチミツとクローバー』の羽海野チカさんって知ってるでしょ? あの人も君のブログ見てるって言ってたよ。ファンらしくて、「続く世界」のCDも買ったって言ってた(笑)。「綺麗ア・ラ・モード」も絶対買いますって。

翔子

もう目玉が飛び出しちゃう……。

松本

こんなこと言っていいのかな?(笑)

翔子

恐ろしいですね、インターネットって……。自分の脳みその世界だけで書いているのに、松本さんや奥さんや羽海野さんまで見てくださってるなんて。

松本

意外なファンがいるんだよ。

翔子

ひぇ〜〜。びっくりしました。私がまだ18歳くらいのときに、音楽番組のレポーターで、キャプテンストライダムさんにお会いしたら、松本さんの娘さんが(マネージャーとして)いらっしゃいまして。名刺をいただいて、手が震えて落としてしまったのを覚えています。

−−さらにその後に、風待茶房の1コーナー、「風待俺図鑑」のゲストとしてご登場いただいたんですよね。聖子さんの曲についてインタビューさせていただきました。

松本

うん。そのとき僕は知らないで事務所に行ったんだけど、そこで偶然会ったんだよね。

翔子

そのときはもう本当に心の準備も無しに、大好きな聖子さんの歌について語っているテンションMAXのときにいらしたので、「ギャーッ!」となってしまって。

−−半パニック状態に。

翔子

しかも松本さんはすごいナチュラルに現れまして……。

松本

そりゃそうだよ、自分の事務所だもん(笑)。

翔子

ごめんなさい(笑)。そのとき、どら焼きをくださって、また「うわーっ!」ってなって。

松本

よく覚えているね、そんなこと。

翔子

もちろんでございます! この神様がくれたどら焼きをどうしよう、と思って。食べられないし、どこに飾ろうかと思ったんです。

松本

腐っちゃうよ。

翔子

そのあと事務所に寄ったときに、興奮しすぎて置いてきてしまって……。慌てて取りに帰ったのを覚えてます。

−−その後、ちょうど今日来ているカフェで、雑誌『BRUTUS』の写真の撮影(※1)をされましたよね。

松本

あぁ、そうだ。篠山紀信さんに撮ってもらったんだよね。あの写真は良かったね。さすが写真の神。

翔子

すごく速いのに、このカフェの昭和感がすごく出ていて。

松本

そんな枚数は撮らないんだよね、いつも。ちゃちゃっと撮っちゃう。

−−翔子さんの梅図かずお先生的な世界感と、松本さんの「暗闇坂むささび変化」的な世界感が見事に調和されていて。

松本

僕が背後霊みたいになってた(笑)。

翔子

すごくノスタルジックで、不思議な仕上がりでした。

(※1)『BRUTUS』(マガジンハウス)
2007年12月1日号 「人間関係」 写真/篠山紀信。

2:存在自体が神秘になればいい を読む →



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